また、情報の印象操作という問題もある。たとえば、今回の衆院選関連でも、安倍政権の経済指標が落ちているという報道があった。しかし、それはあくまで「対前年比」の数字であって、安倍政権5年間で見れば、やはり数字は上向いている。少なくとも、民主党政権時代と比べれば飛躍的に上向いているのだが、これも「下がった」と伝えることがある。

 最近は人手不足が言われ、有効求人倍率が1.0を超えていることは読者の皆さんもご存じかと思う。そして、たしか加計学園問題の最中の7月末だったと記憶しているが、「正社員の有効求人倍率」がついに1.0を超えたとの発表があった。これは、生活の安定を願う大多数の国民にとってはビッグニュースだと思うが、報道でこの事実が大きくフィーチャーされることはなかった。安倍叩きをしたい人たちからすれば、これほど都合の悪い事実はないからだ。

 このような、テレビ・新聞が「不都合な真実」を黙殺し封印することは、いまに始まったことではない。しかし、ネットが登場し、SNSユーザーが増えることで、多くの情報が「封印」できなくなった。その影響力が決定的になったのが、今回の衆院選だ。

ネットの反応で予測できた
小池凋落の兆し

 今回の衆院選で与党が圧勝した要因の一つに、「若者層の支持」がある。各種調査でも、自民党の支持率と年代は反比例している。10代、20代は自民党支持が高く、高齢になればなるほど支持率は下がる。その理由として、「いまの若者は保守化しているから」と論じる人間もいるが、そうではない。最大の理由は、「テレビ・新聞への接触率」だろう。ご存じのように、いまの若者はテレビを見ない。もともと若い人間は新聞を読まなかったが、最近はさらに読まなくなっている。彼ら彼女らの情報源はネット。それもスマホ時代になって、検索して自分で情報を探すのではなく、SNSで流れてきた情報を受動的に消費する。

 そのSNSにおいても、特にTwitterでは、右翼と左翼が激しい情報戦を戦わせている。SNSは、基本的に自分がフォローしている人の情報が流れてくるメディアでもあるので、その情報に偏りが生じるのは事実だが、ネトウヨは「パヨクはこんなことを言っている」と拡散するし、パヨクは「ネトウヨの連中はこんなことを言っている」と拡散するので、結局は両陣営の主張に接することになる。つまりネットしか見ない若者は、両論併記の記事を読まされることになり、最後は自分の価値観で判断することになる。今回の衆院選では、安倍支持派の主張のほうが反安倍派より説得力があった、ということだろう。

 ネットの反応は正直だ。ネット情報はバイアスがかかりやすいとよく批判されるし、それは事実であるが、バイアスに注意して見ていれば、見えることも多い。今回の衆院選では、小池百合子率いる希望の党が大敗したが、僕は結構早い段階で、「衆院選で小池ブームは起きない」という予測記事を書いている。

 ◎参考記事: 小池百合子人気、凋落の兆し?