この記事をアップしたのは9月27日。希望の党が正式に設立会見をした日だ。そしてその後、民進党との合流のニュースも流れ、自民党は大敗するかもしれないという空気感が生まれ、テレビ・新聞の報道は「政権交代が実現するかもしれない」という高揚感に満ちたものだった。そんな時期に、僕は「小池凋落」の予測記事を書いたワケだが、これもネットの反応を見ていれば、誰でも予測できるはずのものだった。

 また、2日前の9月25日には、僕は「小池百合子マジックに三度目はあるのか?」という記事も書いていたのだが、この時、読者はまったく反応しなかった。アクセスが全然伸びなかったのだ。これまで僕は、DOLでも小池百合子関係の記事を書いてきたが、タイトルに「小池百合子」と入れるだけでアクセスが跳ね上がった時期がたしかにあった。それが、9月にはまったく効かなくなっていたのだ。

 ◎参考記事: 小池百合子マジックに三度目はあるのか?

 ちなみに、小池敗北の要因として例の「排除」発言を挙げる人が多いが、小池百合子に対するネットでの反応は、それ以前から醒めたものだった。排除発言はその状況にトドメを刺したに過ぎず、ネットを見ないマスメディア側の人間は、そのあたりの状況を理解できていなかったと言える。結局のところ、自民大勝も小池大敗も、ネットの動向を注意深く見ていれば予測できたことではある。しかし、僕がここで注視してほしいと思うのは、「テレビ・新聞が効かなくなった」という事実だ。

 テレビと新聞はマス4媒体の中でも特別な存在で、それは「世論形成をリードしてきたメディア」であるという意味だ。いわば、メディアの王様。それがテレビと新聞だった。そのテレビと新聞が総力を挙げて政権叩きをしたにもかかわらず、与党が圧勝した。政権交代のまさに希望の星として希望の党を持ち上げても、有権者は反応しなかった。これは、世論形成のメディアとしてのテレビ・新聞が完全に敗北したことを意味する。

マスメディアの支配を覆した
元アイドルのインフルエンサー

 マスメディア敗北のもう一つの象徴が、冒頭で挙げた「ゆうこす」だ。ゆうこすとは、元HKT48の菅本裕子のことだが、いまやSNSを駆使した「モテ・クリエーター」としてカリスマ的な影響力と人気を誇る“インフルエンサー”である。「モテるために生きている」をテーマに、モテ講座やメイク講座などを展開。YouTubeの「ゆうこすモテちゃんねる」の登録者数は、約23万人。Instagramのフォロワーは約26万人だが、特筆すべきはそこに至るまでの道程だ。

 菅本裕子は元HKT48とは言っても、アイドルとしてはそれほど売れたわけでもないし、HKT48を脱退してからは完全に終わっていた。本人自身が「地獄の日々」と語るような状態で、朝起きてtwitterに「おはよう」と投稿すると、「死ね」とリプが来る。イベントを開いても4人しか客が来ない。そんな状況からSNSを駆使し、独力でいまの地位を築いている。