>>(上)より続く

「子ども専用の写真館2万4000円(10月7日)、2万4000円(10月22日)」

 特に何の行事もない10月に、決して安くない2万4000円という料金が2回もクレジット決済されており、妻が康平さんに無断で、写真館で娘さんの写真を撮っていたことが明らかになったのです。

 子どもにお金をかけたい妻とかけたくない夫…一見、夫婦間の金銭感覚の違いで済まされそうです。法律上、確かに婚姻期間中なら、妻は夫のお金を使うことが認められていますが(民法761条、日常家事債務)、それは生活費の範囲に限られます。生活必需品ではない支出の場合、その都度、夫の同意が必要です(川越簡判・昭和62年12月8日判決)。今回の場合、新品の子ども服として3万6405円、中古の子ども服として4万9359円、行事以外の写真撮影として4万8000円は1ヵ月の金額として生活費の範囲を超えているでしょう。

別居時に夫名義のカードは回収
妻が返してくれない時は?

 康平さんいわく、妻は理想もプライドも高く、負けず嫌いなタイプなのですが、高校を中退し、社会人経験はアルバイトのみ、特にこれといった資格や技能を持ち合わせていないので、唯一の心の拠り所が娘さんの存在だったようです。

 しかし、年収400万円の康平さんが何不自由ない生活を妻子に提供できるわけではなく、質素倹約の日々を送っていたのでしょう。理想が高い妻は現実とのギャップに悩み、プライドが高いので他の家庭と比べて劣っているのが許せず、また負けず嫌いだから他のママ友に対して被害妄想(なぜ私だけ貧しいの!)を抱えているのです。年がら年中ストレスをため込んでいたので、不定期に「散財」という形でガス抜きをしていたのでしょう。つまり、妻は常にストレスフルなので危険極まりない存在だったのです。

 康平さんは妻が心から謝り、反省の態度を示し「もうしません」と約束することを期待して、請求書を手に「これはどういうことなんだ!」と妻を追及したそうです。しかし、妻は康平さんときちんと向き合うつもりはなく、週末には最低限の荷物をまとめて娘さんと一緒に出て行き「ただでは済まさないわ!」と、引越費用を康平さんのクレジットカードで決済したのは冒頭に述べた通りです。