3つのシナリオで
蓋然性を考える

秋山 社会や経済のしくみ、歴史、など一般教養も欠かせないということも言えそうです。このほかにビジネスパーソンでも応用できる情報分析の技法などはありますか。

上田 シナリオを持つことは大事です。例えばある事柄について基本的には3つの方向性で考えてみるのです。

1)推定といって、現状維持で推移するとどうなるか
2)現在の状況を支えている影響要因のひとつが変わるとどうなるか
3)ありえない条件が加わるとどうなるか

秋山 3つのシナリオをビジネスに置き換えてみます。

1)競合他社と自社の相対的な力関係が現状のままであれば、今後の売上や利益はどう推移するか
2)ある特定の国家からの売上が大きいが、もしそれが政変などの何らかの要因でなくなったらどうなるか
3)競合他社が画期的な新製品を出してきたらどうなるか。あるいは企業スパイがいて自社のM&Aの計画などの秘密の情報がもれていたらどうするか。

 といったようなことですね。

上田 さまざまな蓋然性についてシナリオを持っておくことは大事です。何かが起こったときに、考えているのといないのとでは対処の速さも的確さも違います。また、仮に状況を読み誤って、失敗しても、どこまで戻ればいいのかいくつかの分岐を意識しておけば被害は最小限にできます。

 シナリオとも関連しますが、多面的に見なければ虚を突かれるということも知っておくべきです。

 日本が北朝鮮にばかり目を向けていると、尖閣や南シナ海がお留守になってしまうこともあるでしょう。イギリスのフォークランド紛争は、イギリスからはるかかなたのアルゼンチンで起こりました。地理的な遠さゆえに、イギリスに油断があったともいえます。

秋山 ありえないことも含めてさまざまな事態を想定しておくのですね。