日産自動車、SUBARU(スバル)、神戸製鋼、東洋ゴム…組織ぐるみの不正行為や不正隠しが絶えない。不正行為が起きやすいか起きにくいかは、法令順守の取り組みだけによるものではなく、実は社員のモチベーションの高さによるところが大きい。(モチベーションファクター株式会社代表取締役 山口 博)

組織ぐるみの不正行為が
後を絶たない

実際に製品に瑕疵があるかどうかではなく、遵法意識がないことこそが大問題。日産自動車では是正指示を受け、是正済みであると社長が記者会見した後も、不正が行われていた 写真:つのだよしお/アフロ

 日産自動車に続いてSUBARU(スバル)でも無資格者による完成車検査が行われていたことが発覚した。また、神戸製鋼所を皮切りに三菱マテリアル、東レなど大手素材メーカーで相次いで、品質データの改ざんが行われていたことが分かるなど、不祥事の発覚が後を絶たない。

 日産自動車はなんと38年前から、スバルは30年前から、神戸製鋼所はおよそ10年前から不正が行われていたことが報道されてきた。

 経団連は会員企業・団体に対して、品質不正の自主調査を年内に行うように文書で要請するとともに、経済産業省や国土交通省の担当者も同席のもと、12月21日に不正防止のための緊急会合を行った。

 神戸製鋼所の不正は、自動車、新幹線、航空機などで使用されるアルミ・銅製品の検査証明書データ改ざんである。今年2月、過去10年で4度目になる不正が発覚した東洋ゴム工業で行われてきたのは、免震ゴム、防振ゴムなど災害対策に関連する製品でのデータ偽装だ。日産自動車、スバルも含め、いずれも国民の輸送や災害対策に関わる、公共性の高い分野で生じていることは、極めて深刻だ。

 長年にわたり、複数の製品や部門で、完成車検査や検査証明書という最終段階で不正が行われていることは、組織ぐるみの不正行為が慢性化している状態だ。日産自動車に至っては是正指示を受け、是正済みであると社長が記者会見した後も、不正が行われていた。

 不注意や確認漏れによって、ルールに則ってプロセスを進められなかったのなら、それを直ちに改善して、再発を防止すればよい。しかし、不正が明らかになった後も、組織ぐるみで不正行為を実施し続けるというのは、法令順守意識の希薄さの表れであり、非常に深刻な事態だ。