星野監督が怒るのは
「〇〇」した選手だけ?

 星野監督と言えば、選手時代から負けん気が強い投手で有名でしたが、多くの方には監督のイメージが強いでしょう。
 ベンチを蹴り飛ばす姿や鉄拳制裁での指導は印象に残るものがあります。

 けれども、それも勝ちへの執念を持ってこそのあらわれ。
「火の九紫」は物事に執念を持って臨みます。
 そしてその達成のためには何があっても逃げずに戦っていく。
 それこそが、「火の九紫」が情熱を意味する「火」の冠を持つひとつの所以なのです。

 星野監督はミスをしたらすぐ怒ると思われているかもしれません。しかし、これはちょっと違います。

 星野監督は「ある行為」をした選手に対してにだけ、鬼のような形相で怒るのです。
 果たして、それは何でしょうか?

 答えは「逃げ」です。

 逃げる選手には徹底的に怒ります。
 相手を恐れ、四球や被弾を嫌っての消極的なミスには、容赦なく怒る。それはどんなに小さなものでも。

 元阪神タイガースの赤星憲広氏は、現役時代に一度だけ、当時(阪神の)監督だった星野監督に猛烈に怒られたことがあるそうです。

 無死一塁の場面で、監督からの“打て”のサインが出たにもかかわらず、自分の判断でバントをしたのです。

 結果としては、それがきっかけで先制点を取れたのですが、いざベンチに戻ると鬼が待っていました。

「逃げるようなヤツはいらん!」

 と星野監督が赤星氏を一喝。
 これまでにない形相だったので、特に印象に残っているそうです。

 このエピソードは本当に「火の九紫」の星野監督らしい。
「火の九紫」は正義感が強く、曲がったことを嫌います。
 そして、何事も情熱を持って“立ち向かう姿勢”こそが「火の九紫」としての役割。
 これを見事に体現しているのです。

「闘将」、まさに、「火の九紫」としての気質から生まれた言葉ですね。