NTTの固定と携帯が融合するのか――。
NTT東日本は2月から、光回線とネット接続料、モバイルデータ通信をひとまとめにして最大3割安くするサービスを始めた。
これは「フレッツ光モバイルパック」と言い、家庭の光回線で高速インターネットができる上に、その付属機器が外出先ではデータ通信端末として使えるサービスだ。
サービス自体は昨年2月から始まりインターネットサービスプロバイダ別に5つのプランがあったが、ここに今回、ベンチャーの日本通信が提供する「b-mobile FMC」が加わった。
日本通信のプランの特徴は、何と言っても他と比べて料金が最大3割安くなる点にある。集合住宅向けでみると、最大月額7600円かかるものが5445円まで抑えられるのだ。
大きな要因は、日本通信がプロバイダサービスとモバイルデータ通信の料金を月額1560円まで抑えたことにある。そもそもプロバイダ料金だけで1000~2000円かかることを考えれば割安といえるのだ。
しかも、ただ安いというわけでない。東日本が日本通信を媒介に、事実上のグループ一体化サービスを開始したという、したたかな戦略が見え隠れする。
じつはこれ、プロバイダがNTTコミュニケーションズのOCNで、データ端末の回線はNTTドコモの通信網を利用している。
もともと電気通信事業法ではNTTの市場支配力を排除する仕組みがある。そのため、東日本がドコモなどと直に組んでサービスを行うことは認められていない。
しかし、日本通信はNTTのインフラを借り受けてサービスを提供する。つまり、日本通信を間にはさむことで、東日本がドコモの通信網を使いモバイル関連サービスを提供できるのだ。