対中輸出の中心は
機械や部品などの中間財

 日本の最大の輸出先は、いまや中国である(【図表1】)。

 経済危機後の落ち込みから2010年に日本経済が回復したのも、対中輸出が急成長したことによる。

 これまでの日本の輸出の主役であったアメリカ向けの乗用車輸出は、経済危機前の水準に回復するとは考えられない。その半面で、中国の経済成長は今後も(ある程度の減速はあるだろうが)、かなりの程度の期間継続すると考えられる。したがって、中長期的にも対中輸出は重要だ。

 しかも、対中輸出は機械や部品などの中間財が中心である。これは、日本が比較優位を持つ分野だ。その意味でも対中輸出は重要な意味を持っている。

 中国に対する輸出は、09年の10.2兆円から27.8%増加して10年には13.1兆円となった。これは、07年の12.7兆円、08年の12.9兆円を上回るものであり、過去最高の水準だ。11年には12.9兆円と、10年に比べれば若干減少したが、依然として高水準だ。

 対中輸出を品目別に見ると、【図表2】のとおりだ。08年から11年への増加率を見ると、一般機械と輸送用機器の増加が著しい。

 一般機械では、金属加工機械、建設用機械。輸送用機器では、乗用車よりバス・トラックの増加率が大きい。自動車部品は伸びてはいるものの、金属加工機械や建設用機械ほどではない。これに対して、電気機器は、伸び率がマイナスだ。

 以上の動向は、日本の輸出動向を象徴している。