電力・ガスの小売り自由化をめぐり首都圏で競争が激化している。4月に就任したばかりの東京ガスの内田高史社長に対抗策を聞いた。

東京ガスの内田高史社長Photo by Kazutoshi Sumitomo

──中部電力と大阪ガスが電力と都市ガスを販売する合弁会社を設立し、首都圏市場に参入しました。東京電力ホールディングスを含めた他社との競争が激しくなっています。どのように対抗しますか。

 東京ガスの都市ガスの顧客基盤は1100万件。既存の顧客にガスと電気をセットにした競争力のある料金体系を提案することで、これまでの顧客を守ります。われわれは顧客を一軒一軒回って、足で稼ぐ“地上戦”が強みなのです。

 これを支えるのが、普段お客さまの自宅にガス機器の修理や保安などでお邪魔する営業部隊、ライフバルです。今年4月1日時点で、125万件のお客さまに「電気」の契約のお申し込みを頂きました。このうち7割は、ライフバルの営業部隊が足で稼いだ結果です。この営業手法は、変えません。

 中部電力と大阪ガスの合弁会社には、首都圏にわれわれのような顧客基盤はないと思います。通信業者やハウスメーカーなど顧客への接点を持つ企業と組んで攻めてくるでしょう。東京ガスは、そうした“空中戦”は取りません。

──首都圏以外の「敵地」へ進出することは考えていますか。