日本は課題先進国だ。その課題の一つが少子化である。中国はそんな日本社会の様子に大いに関心を寄せている。同国でも一人っ子政策や高齢化といった社会問題が、将来、日本のように大きな問題となる可能性が認識されつつあるからだ。中国の経済メディア「第一財経」に掲載された中国財政科学研究院応用経済学のポストドクター、盤和林氏の記事を転載する。
過去最大となった
自然増減数
新華社の報道によると、日本の厚生労働省が6月1日に公表した統計は、2017年の死亡数から出生数を差し引いた自然増減数が39万4373人で、過去最大となった。このことは日本の人口が減少傾向にあることを示している。 また、日本の総務省が公表した人口統計によると、2017年10月1日時点の日本の総人口は昨年より22万7000人減の1億2670万人で、7年連続の減少となった。さらに、65歳以上の人口が総人口に占める割合は過去最高、15歳以下の人口の割合は過去最低を記録し、少子高齢化はますます深刻化している。
日本の少子化と高齢化はすでに新しい現象ではなくなっている。日本の総出生率は1975年に2.0に減少してから、40年近くにわたって低下傾向にあり、上昇に転じた年もあったが、全般的に低下傾向は変わらない。
2016年、日本の総出生率は1.44となり、世界第118位であった。一般的には、一つの国の総出生率が、長期にわたって人口の安定的増加をキープする人口置換水準(2.1)よりも低ければ、少子化(または低出生水準)といわれ、長期にわたって1.3より低ければ、超少子化(または超低出生水準)とよばれる。