どういうことかというと、景気がいいか悪いかを決めるために、日銀が国民や企業にアンケートをとったり(それをまとめて「日銀短観」として発表します)、様々な統計を実施しています。

 そして調査の結果から総合的に判断して、「景気が良くなっていると答えた人が多かったなぁ。じゃあ今月は『景気が良かった』ということにしよう」という感じで決まっているんです。

 もちろん、少数の意見だけで適当に決めているわけではありませんが、各社の売上が100万円上がったら「景気がいい」ことにする、など、決まった基準があるわけじゃないんです。

景気が良くなっても、給料は上がらないって本当?

 ただし、最近の傾向として注意しなければならないのが、景気が良くなったからといって、会社員の給料が増えるとは限らない、ということです。今までは、好景気になって企業がもっと儲かれば、そのぶん労働者の給料も上がる、と考えるのが通常でした。しかし、最近は「給料が右肩上がり」にならないことが普通になってきました。

 データだけを見ると、つい数年前まで景気は拡大していました。新聞やテレビで「いざなぎ超え」というフレーズを見聞きした方も多いと思います。「いざなぎ景気」といわれる戦後最長の景気拡大期間よりも長く、日本経済が「成長」していた時期があったのです。