ソーシャルビジネスはNGOや国際協力ボランティアに携わっている人々が主体であるように思われがちだが、実は求められる能力は、企業がビジネスを推進する上で必要な能力とそれほど変わらない。むしろソーシャルビジネスを推進することで、企業が本来求めている人材を育成できる大きなきっかけになる。
ソーシャルビジネスは
こんな人を求めている!?
ソーシャルビジネスを推進する人として、「どんな人が向いていますか?」と聞かれたら、真っ先に何を思い浮かべるだろう。私自身が企業の方々との会話で感じるのは、どうやら「NGOで働いている人」「ボランティアをしている人」「国際協力に興味のある人」と、利益を追求するビジネス社会で働く人々にすれば、ちょっとかけ離れた人たちがやっている、というイメージがあるようだ。
新興国の中でも農村部や都市部のスラム地域など、通常のビジネスでは立ち入らないような場所に行き、そこに住む人々の観点からビジネスを創造していくというのが、ソーシャルビジネス立ち上げの主な考え方なので、確かにそういうイメージを持つことは十分理解できる。
しかし、ソーシャルビジネスもあくまでもビジネスだ。実際に推進していく上でやっていることは、企業活動として普段やっていることと特に変わらない。むしろ企業がどういう仕組みで事業を進めているのかがわかっていないと、ソーシャルビジネスも推進できない。
その上で、ソーシャルビジネスを推進するにあたって、必要な人材はどんな人かと聞かれたら、「巻き込み力」「受け入れ力」「貫く力」の3つの能力が備わっている人と答える。これは現場だけでなく、企業内でも必要な能力である。