中東の砂漠地帯に投資拠点を構築するとのサウジアラビアの夢に暗雲が垂れ込めている。米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は14日、サウジのリヤドで今月開催されるビジネス会議「未来投資イニシアチブ」への出席を取りやめた。背景には、同国政府に批判的なジャマル・カショギ記者がトルコのサウジ総領事館で失踪した事件を巡り、サウジ政府が殺害を指示したのではないかとの疑惑が強まっていることがある。ダイモン氏は会議で講演を予定していたほか、JPモルガンも取引に関する助言を行うなど、サウジと長年にわたる関係を持つ。関係筋によると、ダイモン氏に続き、資産運用大手ブラックロックのローレンス・フィンクCEO、プライベート・エクイティ(PE)大手ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマンCEOも会議への出席を取りやめた。