サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害をめぐるドラマに世界中が立ちすくむなか、米トランプ政権は先週、米国の外交政策にとって冷戦終結後で最もドラマチックな方針転換のいくつかを断固として推し進めた。ドナルド・トランプ米大統領の外交政策は、決して孤立主義ではない。それは野心的で、干渉主義的で、グローバルなものだ。修正主義の3大国(中国、ロシア、イラン)の扉を少なくとも当面はこじ開けられないことを約2年かけて見極めたうえ、同政権はこれら全ての国と一気に対決する準備を進めている。何よりも、これは中国との競争が激化することを意味する。マイク・ペンス副大統領が2週間前、中国を封じ込める米国の広範な戦略を明らかにする演説を行ってから、トランプ政権は歩みを止めていない。貿易戦争はエスカレートしている。トランプ氏は国際郵便のルールを定めた万国郵便条約から脱退すると発表した。同氏の考えでは、中国の郵便事業者が不公正に恩恵を受けているためだ。さらにマイク・ポンペオ国務長官はパナマを訪問し、同国の指導者は中国の「債務のわな」に陥らないよう警戒すべきだと忠告した。
トランプ氏は「孤立主義者」ではない
敵国を封じ込めるため、リスクの高い野心的な取り組みを進める
有料会員限定
あなたにおすすめ