相場の下落が深まるなか、株や商品といった比較的リスクの高い資産の値動きは一致しており、一段の波乱を予想する一部のアナリストは不安視している。同一歩調が気がかりな理由は、それが市場の過度な楽観または不安を表すシグナルだからだ。つまり投資家は決算や需給といった基礎的要素を検討するのではなく、資産を一気に売却ないし購入する傾向にある。相関性の高まりは、いずれか一方向への動きが激しさを増す前兆であることも多い。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、S&P500種株価指数とMSCIオール・カントリー・ワールド指数(米国は含まれず)の20日間の相関係数は、2月の急落以降で初めて0.95に上昇した。S&P500指数とS&P GSCI商品指数の相関係数は0.8近くに上がった。