米電気自動車(EV)メーカーのテスラは歴史的な業績改善をやってのけた。投資家にとって重要なのは、その過程を知ることだ。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は先週、テスラが9月まで生き残りを賭けて奮闘していたと述べた。実際のところは、7-9月期(第3四半期)に同社は過去最大の利益を生み出していた。テスラが証券取引委員会(SEC)に提出した7-9月期の決算開示資料が2日に公表されたが、同資料は、そうした相反する事実を整理するのに役立つ。納車台数が過去最大に達し、売上高が4-6月期(第2四半期)から70%増加し、コストが削減されたことは疑いない。税引き前利益は2億7100万ドルだった。最大の利益押し上げ要因は排出権の売却だ。テスラがEVをはじめとするクリーンエネルギー製品の生産で得ている排出権は、規制基準を満たしていない企業に売れる。同社は7-9月期に排出権の売却代金1億8950万ドルを計上したが、これは異例の高水準だ。1-3月期と4-6月期は合わせて1億3500万ドルほどだった。排出権の売却で得た分はテスラにとってほぼ純粋な利益だ。