米ファストフードチェーン大手マクドナルドは、ソビエト連邦が崩壊目前だった1990年に第1号店をモスクワにオープンし、米国文化を伝える大使の顔となった。現在では、米ロ関係の悪化に加え、ロシア政治家からは店舗閉鎖を求める声が上がる中、マクドナルドの経営陣は新たな戦略に打って出た。「徹底したロシア化」だ。マクドナルドは今年に入り、ロシア国内の店舗の仕入れに占める現地サプライヤーの比率を98%に引き上げた。さらに、ロシアのマクドナルドは米企業である必要はないとのメッセージを徹底するため、大掛かりな販促キャンペーンを展開した。マクドナルドの広報担当者(モスクワ在勤)は「消費者はようやく、われわれは最もロシア的な企業の1つだと理解しつつある」と述べた。