最近の株式相場の混乱を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを減速すると見込んでいた人は失望したに違いない。FRBは8日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、他にも大きな変更は行わなかった。会合後に発表された政策声明は9月の声明からわずかに修正されるにとどまった。今回の声明では、失業率は9月の会合以降、低下しており()、設備投資は「今年に入ってからの速いペースからは緩やかになった」(前回声明は「大幅に伸びている」)と指摘している。これら2つはおおむね互いに打ち消し合う要素であり、いずれもデータから明白だった。FRBが修正しなかった重要な点がある。利上げ見通しに関する「さらに段階的な利上げ」という表現を、リチャード・クラリダFRB副議長が最近発言したように「さらにいくらかの段階的な利上げ」に和らげなかったことだ。調査会社エバーコアISIのクリシュナ・グハ氏が指摘しているように、そのようなことをすれば、FRBが不安定な株式相場に反応したかのような印象を与えていた可能性がある。また、FRBがに反応したように映り、中央銀行としての政治的独立性に疑問符が付いていたかもしれない。
FRB、相場下落や批判に動じず
FOMC声明にめぼしい変更なく、利上げも見送り
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