石油市場が直近に発したメッセージは、サウジアラビアにとって懸念すべきものに違いない。日量1億バレルの規模を有する世界の石油市場では、どの国も一国だけでは価格支配に十分な生産規模を有していない。だが、サウジアラビアには市場動向を左右できる力があると長年信じられてきた。「○○のサウジアラビア」というフレーズが存在する理由は確かにある。○○に当てはまる言葉は想像がつくだろう。しかし、それは通常、産油国としてのサウジの影響力を誇張している。12日のブレント原油先物相場は、1ドル上昇して1バレル=71ドルとなった。これは、石油市場が日量100万バレルの減産を必要としており、サウジは来月からその半分(50万バレル)の削減に踏み切るとしたハリド・ファリハ同国エネルギー産業鉱物資源相の発言に対する反応としては、驚くほど小さな相場変動だった。現在問うべき事柄は、サウジが依然として「石油のサウジ」なのかということかもしれない。