5月16日午前10時、Flipboard(フリップボード)は日本語版アプリの提供を開始した。フリップボードとは、ツイッターやフェイスブックなどソーシャルメディアの情報の他、ウェブ上にあるニュース等の記事閲覧専用アプリケーションだ。アップルのiOS用に開発され、現在はiPad、iPhone、iPod Touchで利用することができ、「ソーシャルマガジン」とも呼ばれている。こうしたアプリの登場によって、デジタルコンテンツを閲覧する環境や、人々のコンテンツを楽しむ行動はどのように変化していくのか。また、出版社などのコンテンツ供給側にとってはどのような影響があるのか。フリップボードCEOのマイク・マッキュー氏に展望を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
全世界160ヵ国で利用されるフリップボード
800万ダウンロード、月間20億フリップ
Photo by Kazutoshi Sumitomo
――2010年に創業してから、フリップボードのユーザー数はどのように推移しているか。
2012年2月時点で、全世界で800万ダウンロードされている。今年の中頃には数字をアップデートする予定だが、かなり増えていることにだろう。フリップ数(ページをめくる数)は月間20億フリップだ。
ユーザーの40%はアメリカ以外の国で、日本はユーザー数が第3位だ。日本語版が出ると、この順位も変わってくるだろう。世界では160ヵ国以上で使われている。ローカル化を進めており、日本の他ではフランス語版と中国語版がある。現地にいるローカルキュレーター、つまりウェブ上にあるもっとも優良なコンテンツは何かを判断する人がキュレーションを行なっている。
――キュレーターはどのような人なのか。フリップボードの社員なのか。
ジャーナリストやライターなどだ。アメリカでは、社員3人がキュレーターとして活躍している。一人はジョシュ・クイットナーで元タイムマガジンの編集長だ。彼が、コンテンツの編集業務を行なっていて、決定権をもっている。もう一人はミア・クアグリアータで、彼女はユーチューブのキュレーターだった。
日本にもキュレーターがいる。フリップボードの社員ではなく、個別の契約をして、どのようなニュースやコンテンツが良いかを選んでいる。