独誌シュピーゲルのスター記者が、数年にわたり記事をねつ造していたことが発覚した。欧州の老舗メディアが国内外のポピュリストによる攻撃にさらされるなか、近年では欧州最大の報道スキャンダルに発展している。記事をねつ造していたのは、クラース・レロティウス氏(33)。シュピーゲルに勤務していた7年に10度の受賞歴がある看板記者だった。同氏は先週、一部記事でねつ造を認め、シュピーゲルを去っている。同氏のコメントは得られていない。シュピーゲルによると、レロティウス氏は、グアンタナモ米軍基地にある収容所をもはや離れたくないとする囚人やシリアの内戦孤児など、架空の人物や出来事、会話などを記事に盛り込んでいた。だが、レロティウス氏と記事を共同執筆した別の記者が11月、記事の一部内容の正確性に疑問を呈したことで、問題が発覚した。問題の記事は、米国の田舎で武装したトランプ支持派がメキシコとアリゾナ州との国境沿いで、移民を捕らえようとしているという内容だった。