米トランプ政権はイラクを対イラン経済制裁の適用対象から一時的に外し、同国にイラン産天然ガスの輸入を認めた。期間は少なくとも3カ月間。イラク政府が米国の石油・エネルギー技術の輸入を約束したことを受けた動きだ。両国の政府当局者が明らかにした。イラクは先月、米国から対イラク経済制裁を45日間猶予されており、今回の決定は延長措置に当たる。イラクが電力需要の最大45%をイランからの天然ガス輸入に依存しているためだ。トランプ政権は経済制裁をちらつかせて自国企業が欧州勢より有利になるように仕向けている。イラクのイラン産ガスへの依存を断ち切らせる狙いもある。米国はイラクに加えて、イランからのエネルギー輸入の多い中国やトルコなど計9カ国にイラン制裁を猶予している。ただ他国に6カ月間の免除を認めたのに対し、イラクの猶予期間は45日間に抑えて駆け引きのてこにした。