ベンチャーキャピタルからの資金が枯渇しつつある今、新興企業の成功を真に受け過ぎるのが愚かであるのは自明だ。それは経営難に陥った中国の自転車シェアサービスを見れば分かる。中国の2大自転車シェアサービス企業の一角「ofo(オッフォ)」の創業者、戴威氏は従業員に宛てたメールで、今年を通じてキャッシュフロー問題に直面し続けてきたことを認めた。同氏は中国政府が公開する債務不履行者ブラックリストに載り、高級ホテルや航空機のファーストクラス利用といった過度の支出を禁じられてきた。これに追い打ちをかけるように、1000万人以上の利用者が15〜30ドル(約1700〜3300円)の保証金の返還を求めている。実際のところ、自転車シェアサービスの失敗は驚くことではない。オッフォのビジネスモデルはそもそも持続不可能だったのだ。中国の自転車シェアサービスのレンタル料は1時間当たりわずか数セントで、コストはまったく賄えていない。