カルロス・ゴーン前会長Photo:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は2000年代初め、日産の経営立て直しで名をはせた。日産はいま、さらに洗練された再建の名手を必要としている。

 日産はゴーン前会長が経営を引き継いだ当時に比べ、はるかにグローバルで複雑な企業になった。その後継者は日本の国内市場に一段と集中しつつ、ルノーと三菱自動車とのアライアンスで得られる規模の経済も両立させなければならない。巧みな外交手腕も、コスト管理や理想的な新車の発表に劣らず重要になるだろう。

 11月に逮捕されたゴーン容疑者は、日産から受け取った報酬を過少に記載したとされるほか、私的な為替取引のヘッジに絡む一時的な担保の提供を日産に要請したことで、特別背任の疑いが持たれている。ゴーン容疑者は8日、東京地裁に出廷。逮捕以来初めて公の場で発言する機会を得た。日産が追加報酬を正式に約束したことは決してなかったとしたほか、私的取引に関して日産に損失も利益ももたらしたことはないと主張した。

 一方で、陳述内容は契約の詳細のみにとどまらず、世論に訴えかける姿勢も見られた。日産に「真の愛情」を抱いていると強調し、自身が主導した経営再建を詳しく説明。「1999年には250万台の販売で大幅な赤字を出していたところから、2016年には580万台を販売して利益を上げるまでになった」と指摘した。