サウジアラビアで大きな力を持つエネルギー相が2016年末近くにムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(当時)と面会した際、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を取りやめるよう説得するつもりだった。それは無駄な努力だった。この会談をよく知る関係者によると、ハリド・ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、できるだけ早くアラムコを上場させよと命じられた。だがファリハ氏はその後もアラムコのIPOに反対し続けた。その動きは同国の巨大なエネルギー官僚組織内でも優勢となった。官僚らはIPOに向けた手続きを遅らせる一方で、IPOはガソリン価格上昇という形で消費者に多くの負担を強いると主張。さらに、IPOによって同社を法的なリスクや株主の厳しい目にさらすことになると訴えた。
サウジ皇太子の改革、身内の静かな抵抗に直面
サウジアラムコのIPOやウーバーへの出資拡大、国有資産の売却を官僚らが阻止
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