多摩地区の南部、面積21平方キロメートル、人口15万人ほどの比較的小さめの市だ。市の南側には1971年に入居が始まった日本最大のベッドタウン、多摩ニュータウンがあり、かつては子育てファミリーでにぎわっていたが、今は高齢化が問題となっている。

 確かに多摩市は、待機児童ゼロを目指して保育施設を増やしたり、全ての市立小学校・中学校がユネスコスクールとして持続可能な開発のための教育(ESD)に取り組むなど、教育・子育ての向上を目指しているが、全国3位になるほどの実力はないと思える。

 この高い結果はおそらく、多摩地区=多摩市と連想するイメージからくるものだろう。中央大学、法政大学、多摩美術大学など20を超える大学のキャンパスがある八王子市、一橋大学を中心に学園都市を形成する国立市、国際基督教大学のある三鷹市、東京学芸大学がある小金井市など、多摩地区には有名大学が点在する。

 子育ての面では、東京都は18年4月1日付の保育園待機児童数が5414人と、17年の8586人に比べ約4割減少している。少しずつではあるが、待機児童問題は解消されつつある。また、東京都は全ての自治体で子供の医療費が中学生まで無料だ。さらに、東京都の自治体は競って出産助成金、学童保育の充実を図っている。東京都全体が子育てしやすくなる中で、広々として緑豊かな多摩地区はより子育てや教育に適したイメージを持たれやすい。そうしたポジティブイメージを、ドラゴンボールの「元気玉」のように、多摩市が一つに集めているのではなかろうか。

赤と紫W優勝への期待
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