米国の大統領がなぜ21日に俳優ジャシー・スモレット氏の事件についてわざわざツイートしたのか、もしあなたが疑問に思うならば、その答えは明白だ。スモレット氏が今週メディアの注目を一身に集めていたからだ。それにしても今回の自作自演劇は教訓に満ちている。その教訓はドナルド・トランプ大統領のツイートの習慣についてではなく、スモレット本人についてですらない。米国の主要メディアの慣行や社会的なものの見方について、示唆に富むものだ。米国では1月以降、メディアを巻き込む大きな炎を2度経験した。ケンタッキー州コビントン・カトリック高校の生徒を巡る報道と、今回のジャシー・スモレット事件だ。両者に共通する要素は、米国社会の大部分に救いがたい偏狭さがはびこっていると反射的に思い込むことだ。
【社説】人種差別騒動で露呈したメディアの偏見
メディアはまたしても結論を急ぎ、失態を演じた
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