1つの買い手集団に頼りすぎることには常に危険が伴う。その集団が消えればビジネスは終わりだ。プライベートエクイティ(PE)のディールの裏付けに使われる高リスク融資の世界はこれを繰り返している。融資需要はローン担保証券(CLO)として知られる投資ビークルに支配されており、そのビークルは日本の銀行という1つの投資家集団に多くを頼っている。日本の買い手はまだ去っていないが、他の投資家はPEを後ろ盾にした企業の資金調達では彼らの需要が欠かせないと考えている。実際に日本勢が買いを控えれば、利用可能な融資が減るうえにコストが跳ね上がり、厄介な事態となるだろう。CLOは融資ポートフォリオを買い入れ、証券化してエクイティとデットとして販売し、資金を調達している。現在、米国で組成される新規レバレッジドローンの60%超はCLOが買っている。この割合は2008年の金融危機前より多い。