タクシー会社の関心が増す中、より切磋琢磨していく必要があります。

 ただ、私たちは、機能では負けていません。元がタクシー会社のアプリなので、お客さまの不満点を熟知しています。

 重視しているのは決済機能です。

 「Japan Taxi Wallet」という、アプリ配車だけではなく流しのタクシーに乗車しても、アプリ上で決済できる機能をリリースしました。

 後席のタブレットからQRコードを読み込むことで、車が到着して料金が確定する前に、支払い登録が完了できます。

 お客さまは着いたらそのまま降りられますから、とても便利。流しの方が乗車機会も多いので、急速にこの機能の利用者が増えています。

 配車アプリが車を「ちゃんと呼べる」のは前提の機能ですので、決済を含めたその先の「体験」が重要となります。

 さらに、私たちは「移動で人を幸せに」というミッションを掲げていますが、今後はさまざまな移動の仕方も模索していきます。

 例えば、国土交通省と組んで、相乗りや変動迎車料金の実証実験に参加しました。いまは、ライドシェアという言葉が独り歩きしていますが、こうした海外事例のいい点は、日本に合わせる形で積極的に取り入れていくべき。

 IT業界に長くいた私個人から見ると、タクシー業界の規制のハードルが高いのは確かですが……(笑)。積極的に動くことで、いち早く変化に対応していきます。(談)

勝敗は台数ではない
DiDiモビリティジャパン取締役 菅野圭吾