いま東京で“実証実験”をしています。大阪で先行して展開していますが、乗り降りのポイントなどは観光地とビジネス街で異なりますので、まずはそうしたデータが必要です。大阪での経験を踏まえつつ、お客さまや乗務員の反応を見て課題を洗い出してから正式にローンチしようと考えています。
DiDiの優位性は三つあると考えています。
一つ目は、最先端のテクノロジー。データを蓄積し、迅速に活用していくAI(人工知能)技術です。
二つ目が、それを駆使した需要の創出。利用率や継続率を上げるために、サービスの提供の仕方を工夫するノウハウです。
その結果、タクシー事業者にとって売上高が伸びるというのが三つ目。実際に、大阪での実績が評価され、契約台数も増えています。
出資者であるソフトバンクと滴滴出行の知見を生かせるというのも強みです。日本の市場に合わせた新しいモデルを築いていきます。
いまは、毎月2倍以上のペースで利用者が増加しています。中国のインバウンド需要も期待できると思っていましたが、現在はほとんどが日本人の利用者です。今年中に全国……までは無理ですが、京阪神など最低5~6の主要都市はカバーしたいですね。
もっとも、必ずしも台数の多さだけで勝敗が決まるわけではありません。台数が少なくても、利用率が非常に高ければ問題はないのですから。そのために重要なのが、やはり利用者や乗務員の体験です。
DiDiは単なる配車アプリではなく、あくまでAIサービスです。ユーザーに利用してもらって、「こっちの方が早く来る」とか、「こっちの方が便利だ」と思ってもらうために、AI技術の強みを活用しながら、ブラッシュアップを続けます。(談)