中国の電気自動車(EV)メーカー、蔚来汽車(NIO)はこのところ投資家を大いに沸かせていた。だが低調な最新の業績見通しが現実を突きつけた格好だ。ニューヨーク証券取引所(NYSE)では5日、引け後の時間外取引でNIOの米国預託証券(ADR)が18%急落した。1-3月期の売上高が前期比50%超の減少になる可能性を示したことが嫌気されたのだ。そのわずか10日前、CBSテレビの報道番組「60ミニッツ」でNIOは順風満帆の「テスラ・キラー」として紹介されていた。創業者ウィリアム・リー氏が番組でインタビューを受けて以降、株価は最大24%上昇していた。それに飛びついた投資家に5日の急落は衝撃を与えた。NIOによると、中国で今年のEV販売補助金が大幅に削減されるとの観測を背景に、10-12月期は駆け込み需要が発生した。補助金削減は米中貿易交渉で合意条件の一環となる可能性がある。NIOは1-3月期の販売減速について中国の景気減速や旧正月(春節)を理由に挙げたが、4-6月期も引き続き軟調となる可能性が高いと述べている。