毎年この時期の中国経済は荒れ放題の裏庭のようになる。犬、豚、さらには竜までが統計を踏みつけ駆けずり回っている。中国の輸出が2月にただならぬ激減となったのはその典型例だ。輸出額(ドル建て)は前年同月比20.7%も減少した。欧米諸国は太陽暦を採用しているが、中国で最も大切な祝日は太陰暦で定められる。このため、一週間程度の連休となる旧正月(春節)の時期が毎年変わり、1月、2月、場合によっては3月も、経済指標を前年同月の水準と比較するのが難しくなる。戌(いぬ)年だった2018年の春節は2月16日で、過去10年で2番目に遅い旧正月となった。つまり、1年の早い時期に生じる貿易統計のゆがみの多くが3月にずれ込んだことになる。18年2月の輸出は前年同月比で44.5%増加したが、3月には2.7%減となった。今年の春節は2月5日で、影響の大半は1月と2月に現れた。去年の2月と比べた甚だしいベース効果が、今年の悲惨な落ち込みの大きな原因だ。
中国の驚くべき輸出激減、犯人は太陰暦?
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