フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、グーグルの米3社は絶え間ないイノベーション(技術革新)を通じてビジネスの頂点に到達した。だが現在、競争を抑圧し消費者の選択肢を狭めていると多くに責められる立場にある。前者を犠牲にすることなく、後者を抑制することは可能なのか。その答えは英国にある。英政府が任命した有識者パネルは13日、入念に練られた提言書を公表した。政府による業界やインターネットへの干渉をできる限り制限しつつ、巨大IT(情報技術)企業の競争への脅威を抑えるものだ。パネルを率いるのは、オバマ米政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務め、現在はハーバード大学で経済学を教えるジェイソン・ファーマン氏。そのアプローチは、巨大IT企業のプライバシーや民主主義、言論の自由への影響はひとまず脇に置き、重要な経済学上の問題に的を絞るものだ。すなわち、デジタル市場はおのずと独占企業寄りに「傾く」ものであるため、そうした企業は分割させるか、公益企業のように規制すべきなのかという問いだ。そのような案については、エリザベス・ウォーレン米上院議員(民主、マサチューセッツ)もしたほか、ドナルド・トランプ米大統領の元顧問スティーブ・バノン氏も提唱している。