ドイツ政府は、これまで表明していた国防費増大の確約を反故(ほご)にする構えだ。ドナルド・トランプ米大統領は北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、国内総生産(GDP)比2%の国防費目標を達成するよう繰り返し迫っており、アンゲラ・メルケル独首相によるトランプ氏への対抗姿勢が改めて鮮明となった格好だ。メルケル氏は昨年、ドイツの国防費を2024年までにGDP比1.5%まで拡大し、NATO加盟国が目標として設定した2%の水準に近づけると表明していた。背景にはトランプ政権による圧力が強まっていることがある。だが、ドイツ財務省が18日発表した予算案によると、国防費は現在の1.2%の水準から来年は1.37%まで増える見通しだが、2022年には1.29%、2023年には1.25%にそれぞれ縮小すると見込まれている。