欧米の主要中銀が急きょ、金融政策をハト派路線へと転換した影響が世界に広がっている。その結果、より規模の小さい国では、経済がおおむね健全であるにもかかわらず、政策金利は今後何年にもわたり低水準、もしくはマイナスに張り付いたままとなる恐れがある。こうした金融緩和政策は、不安定な資産バブルの温床となる可能性があるほか、次回のリセッション(景気後退)時に、中銀の対応余地を狭めることにもなりかねない。スイス国立銀行(中央銀行)は今後数年にわたりマイナス金利政策を維持する方針を示している。スイスは米国やユーロ圏主要国に比べれば規模は小さいが、世界の大手銀行や企業が本社を置いており、これらの企業は為替相場や金融環境に敏感だ。金融市場は相互依存を強めており、規模の小さい国の問題が規模がより大きい国へと一瞬にして飛び火する危険がある。
欧米中銀の政策転換、「ハト派ドミノ」現象に危惧
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