歴史的に、ある社会の所得が増えると、そこに住む人の身長も高くなる。ではなぜ国民1人当たりの可処分所得が世界で最も多い米国の平均身長が世界一ではないのだろう。かつて米国は世界一の高身長国だった。身長に対する所得や経済の影響を研究する経済歴史学者のジョン・コムロス氏によると、それが200年以上続いた。独立戦争当時、米国の兵士の身長は英国の兵士より約5センチ高く、第二次世界大戦時もドイツ兵より約5センチ高かった。しかし今、世界で最も背が高いのはオランダ人だ。米国生まれの白人と黒人の成人で見ると、女性の平均身長は約165センチ、男性が約178センチ。アジア系とヒスパニック系を加えると平均身長はこれより低くなるが、西欧諸国と同じような条件にするため除外した。オランダ人の平均身長は女性が約170センチ、男性が約184センチだ。
世界一の高身長国、米国が抜かれた理由
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