成績優秀者のほうが
平均睡眠時間が長い
睡眠と学習の関係については、現在、世界中で精力的に研究が行われています。例えば、米国の高校生120人を対象に行われた研究では、成績がよくない学生(C‒F評価)は、成績優秀者(A‒B評価)と比べて睡眠時間が平均して約25分ほど短い傾向があることが報告されています。更に成績がよい子は、睡眠時間が約7時間半と比較的長く、ベッドに入る時間も夜10時半とやや早めに就寝する習慣がある子が多いようです。2013年のカリフォルニア大学の研究では、睡眠時間が短い高校生は、成績が悪い子が多いことも報告されています。
これらの統計データについては、あくまでも相関関係であり、睡眠時間が短いと必ず成績が下がるという因果関係を証明するものではありません。しかし、睡眠時間を削ってまで勉強をすることは、学習の上では逆効果になる可能性もありうることを示唆しています。
ちなみに東北大学の研究では、睡眠時間が短い子どもほど、脳の中で記憶を司る『海馬』という場所が小さくなる傾向があることも報告されています(健康な5~18歳の子ども290人が対象)。
実は私も小さい頃からとにかくよく寝る子で、小学生までは遅くても夜9時、中学生になっても10時になると眠くなるほうでした。もちろん大人になると夜型になる人も増えていくのですが、昔から『寝る子は育つ』と言われるように『質のよい睡眠を十分に取ること』は子どもにとって最大のギフトかもしれません。お子さまの睡眠が十分とれるように心がけてあげてください。