平均賃金が上昇しない理由
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 アベノミクスの6年間は企業規模によって売上高の伸びに格差があり、これが従業員の企業間移動をもたらしたと、前回(2019年3月21日付け)の本コラム「大企業の著しい利益増加は零細企業の惨状よ人件費抑制が原因だ」で述べた。

 前回は資本金10億円以上の企業と2000万円未満の企業について、売上高や利益、人件費などを比較したのだが、今回は全体の状況を見よう。

 それによると、「小企業」で売り上げが停滞ないしは減少し、人員削減が進められた。これによって、大中企業に低賃金労働力が供給されることになった。

 この結果、大中企業で賃金上昇が抑えられ、それが利益増をもたらしたのだ。

 これは、人手不足がいわれるなかで平均賃金が上昇しない理由でもある。

資本金5000万円を境にして
売り上げや利益、賃金の状況が異なる

 図表1は、売り上げと利益が、第2次安倍政権がスタートした2012年10~12月期と、18年10~12月期の間にどのように変化したかを、全産業について企業規模別に示している。