前回の新規株式公開(IPO)ブームでの投資家の熱狂を覚えているだろうか。1999年、数多くの会社がわれ先にと株式市場に駆け込み、デイトレード(日計り)の株式売買で富を得られるという考えに多くの人々が魅了された。ネット通販のウェブバンやeトイズといったスタートアップが一躍有名企業となり、ペッツ・ドット・コムのキャラクター人形はテレビの人気トーク番組に出演した。結局、その年は547社がIPOを実施し、資金調達額は計1079億ドル(現在の為替レートで約12兆円)に上った(ディールロジック調べ)。2019年は、これを上回るIPOブームになる可能性がある。先陣を切ったのは配車サービスのリフトだ。3月29日の上場初日に株価は8.7%上昇し、時価総額は265億ドルとなった。より規模の大きい競合他社ウーバー・テクノロジーズも今春中のIPOを計画している。写真共有アプリのピンタレスト、チャットソフトのスラック・テクノロジーズ、宅配サービスのポストメイツも年内に上場する公算が大きい。IPOの幹事証券会社などによると、2019年にIPOを実施する企業の数は1999年を超えるとみられる。シェアリングエコノミーの別の巨人、民泊仲介サイトのエアビーアンドビーも待機しており、来年に上場する可能性がある。
2019年のIPO狂騒曲、20年前とは何が違うか
今年は1999年のバブルを超えるIPOブームを迎えるが、当時とは中身が異なる
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