北大西洋条約機構(NATO)は中国がもたらしかねない安全保障上の脅威に改めて目を向けている。だが、同盟国の間では、中国との関係で思惑が交錯しているため、見直しは難しい課題だ。  NATOは今週ワシントンで開く外相理事会で初めて、北極圏開発から加盟国内の通信網構築に至るまで、中国の脅威に関して正式に協議する。過去5年の理事会ではロシア問題が中心議題だった。  米国は中国による欧州インフラ投資を警戒し、同盟国に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)排除を働きかけているが、効果は上がっていない。