ジョー・バイデン氏が大統領選挙に参戦するなら、民主党内の「サイレント・マジョリティー」に対する訴求力に賭けることになるだろう。指導層の世代交代を要求している声高なリベラル派から今は無視されている党員らのことだ。民主党の指名候補となる可能性がある人物の中で、最も年配で最も中道派の一人という位置付けがこの出馬戦略を支える。しかし、この人物評は同時に、同氏にとって最大の難題ともなる。つまり、古い時代に登場した男という同氏のイメージをいかに克服するかが課題なのだ。バイデン氏は、民主党のマイク・マンスフィールド上院院内総務や、共和党のジェシー・ヘルムズ上院議員といった、今の世代にはほとんど知られていない故人の名前をスピーチの中にちりばめている。バイデン氏が歓声に包まれて登壇する際によく使う表現の一つは、アドレー・スティーブンソン氏の「お世辞を言われるのは構わない。真に受けない限り」という忠告の言い換えだ。スティーブンソン氏は1952年と1956年の大統領選で、民主党の指名候補となった人物である。
バイデン氏の長い経歴、大統領選に不利か
女性2人による不適切な接触の訴えで疑問符が急浮上
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