今週、北大西洋条約機構(NATO)は70周年を祝ったが、現在のNATOは大西洋両岸のどちらからも、それほど敬意を払われていない。もしNATOがなかったら今の世界はどんな姿になっていたか、想像してみる時期が来ているのかもしれない。  20世紀前半は、米国が欧州の戦争に何らかの形で引きずり込まれることを示した時代だった。NATOの目的の一部は、こうした紛争が起き、再び米国を巻き込むリスクを減らすことだった。ドイツにとってNATOへの加盟は、近隣諸国に脅威を与えることなく、自国の経済と軍の再建を可能にするものだった。  それは機能した。