人間の音声人工知能(AI)は人間の音声を分析し、精神的・肉体的な健康状態を見極める新たな手段をもたらしつつある Photo:F. Martin for The Wall Street Journal

 人工知能(AI)は、人間の声を聞くことで、気分の落ち込みや心臓発作の危険、運転席での居眠りなどを検知できるようになりつつある。

 現在、さまざまな企業や医療組織、政府機関が、人間の声を分析することで感情や精神的・肉体的な健康状態、身長・体重までも特定できる新システムの開発を行っている。

 こうしたテクノロジーは既に、コールセンターで通話から問題を察知するのに使用されている。また精神的・肉体的な病気を見極める手段の1つとして試している医師もいれば、採用候補者の選定に利用し始めている企業もある。

 こうしたことを可能にしているのが、一段とパワフルになった機械学習手法だ。AIシステムはトーンやテンポといった声の特性を測定し、幸福や悲しみ、怒りなどの感情として特定された音声パターンのデータと比較する。音声解析科学の歴史は数十年に及ぶが、コンピューティング能力の低価格化やグーグルの「TensorFlow(テンソルフロー)」などの新しいAIツールのおかげで、より野心的なプロジェクトが可能になった。

 こうした技術は、「感情AI」や「感情コンピューティング」などと呼ばれる分野のコンピュータービジョン技術と組み合わせることでパワーが増す。例えば、車内で音声システムによって運転手があくびをしていないかどうかを確認しつつ、視覚システムによって運転手が居眠りをしていないかどうかを検知することができるかもしれない。

 AI音声解析が既に影響を及ぼしつつある分野と将来的に変革を起こす可能性のある分野を見てみよう。