ジョー・バイデン氏が2020年の米大統領選への出馬を正式に表明したことで、バイデン氏が副大統領として8年にわたり仕えたバラク・オバマ前大統領の功績を巡り、民主党内での議論が活発化しそうだ。オバマ氏は依然、民主党内で高い人気を誇っている。背景には、医療保険制度改革(オバマケア)や地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」など、同氏が手掛けた看板政策がある。一部の世論調査によると、ナンシー・ペロシ下院議長や前回の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏らは、民主党内でオバマ氏ほど支持されていない。バイデン氏はおそらく、選挙戦でオバマ氏の政治的な功績の一部は自らの手柄だと訴えると見られているが、これらは2020年の大統領選の民主党候補者の多くが掲げる政策よりも穏健な内容だ。多くのリベラル派や一部の候補者は、民主党が政権を奪取した場合、オバマ氏の看板政策を単に元に戻すのではなく、より左派にシフトすべきだと主張している。