部下が、社内イベントや飲み会に思わず参加したくなる伝え方

【Case3】仕事の場に合った服装をしてほしい

やる気に溢れていて成長意欲も高いけれど、ちょっと派手な服装、露出の多い服装がどうも気になる…。女性の新入社員の場合、このようなケースもあるでしょう。
夏になる前に言っておかないとマズイ!と焦る気持ちはわかりますが、思ったまま、

×「職場には、露出度の高い服は着てこないでね」

と伝えてしまうのは要注意。あなたが男性の場合、「そういう目で見られているのだろうか」と訝しがられてしまったり、場合によってはセクハラと取られてしまう恐れがあります。

こんな時は、次のように伝えてはどうでしょう?

〇「佐藤さんは僕の大切な後輩だから言うけれど。今の服装だと、見た目だけで佐藤さんのことを判断する人もいると思うんだ。本当の佐藤さんが伝わらないのは、すごく損なことだから、会社に着てくる服装をもう少し考えてみよう。どんな服がいいかわからなければ、女性の先輩が相談に乗ることもできるから」

これは、「相手の好きなこと」「嫌いなこと回避」という2つの「伝え方の技術」を使っています。
「大切な後輩だから言うけれど」と言われたら、佐藤さんもうれしいはずです。このように、相手が言われてうれしいと感じること、つまり「相手の好きなこと」からを伝えることで、相手は「自分のために話してくれている」と感じ、厳しい指摘も聞こうと思えるようになります。そして「優れているのに、外見でマイナス判断されてしまう」というのは「相手が嫌いなこと」。それを回避できるアドバイスは受け入れようという気になります。

【Case4】社内イベントや飲み会に来てほしい

最近、社内のイベントや飲み会に参加したがらない若者が増えています。「仕事とプライベートはしっかり切り分けたい」と考える人が増えているのが理由です。
そんな新人に、

×「今度の飲み会、参加してね!」

と伝えても、「仕事でもないのに、なんで参加しなきゃいけないんですか?」と、想像のななめ上をいく返答が返ってくるかもしれません。
ここで、「仕事っていうのはな•••」などと、長い話を始めても、きっと相手は聞いているフリをするだけ。新人との距離は広がるばかりでしょう。価値観の違いを認めて、こんな伝え方を試してみてください。

◯「山田君の好きそうなイタリアンのお店を予約しようと思っているんだ。ぜひ今度の飲み会には来てほしいな」

これは「相手の好きなこと」という技術を使った伝え方です。相手の好きなものをリサーチして、「山田君のために、山田君が好きなイタリアンを選ぶ」と言われたら、誰でも悪い気はしません。そして、そのあとの「Yes」が言いやすくなります。「上司から言われたからイヤイヤ参加…」ではなく、自分の判断で気持ちよく、参加してくれるでしょう。

今すぐ使える「伝え方」ポイント
「嫌いなこと回避」…強烈な強制力を発揮する、最後の伝え方。なかなか動かなかった人を動かすチカラがあります。