パナソニックグループ各社の「リストラ危険度」を徹底予測!“1万人削減”でソニー、日立に反撃開始?Photo:JIJI

業績の伸び悩むパナソニック ホールディングス(HD)が、またしてもリストラにかじを切る。事業会社パナソニックを解体することを今年2月に公表したのに加え、今月9日にグループ全体で1万人もの人員削減を発表したのだ。メスが入るのはグループ内のどの会社だろうか。特集『パナソニック 正念場』の#1では、パナソニックグループ再編計画のポイントを明らかにするとともに、グループ各社の「リストラ危険度」を徹底予測する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

20年ぶりに1万人規模のリストラ
全従業員の4%を削減!

「雇用に手を付けることは、じくじたる思いだ」

 5月9日の会見で、国内電機大手パナソニック ホールディングス(HD)の楠見雄規社長はうつむきがちにこう語った。

 パナソニックHDは、国内外で合計1万人もの人員削減に踏み切ることを発表した。経営不振を理由にした人員削減では、2001年の1万3000人に次ぐ大規模なものになる。事業終息や拠点の統廃合で人員が減少するほか、国内グループ各社での早期希望退職プログラムが行われるという。

 パナソニックHDは25年3月期決算で黒字こそ確保したものの、その業績は伸び悩んでいる。次ページのグラフで示すように、稼ぐ力では競合の日立製作所やソニーグループの後塵を拝しているのだ。

 実は、1万人削減を発表する前から、パナソニックHDはグループ経営改革を進めるとしていた。家電や空調などを手掛ける事業会社パナソニックを解体し、グループ再編に着手するというのだ。22年に楠見社長の肝いりで持株会社制に移行したが、わずか3年で再び構造改革を余儀なくされた格好だ。

 パナソニックHD幹部は、「大規模な構造改革を進めることについては、経営陣の間でおおむね方向性は一致していたので、異論が噴出するようなことはなかった」と明かす。グループ幹部の間でも、現在の事業構造では立ち行かなくなるという危機感が共有されているようだ。

 グループ再生のために1万人の人員削減が不可避となると、広範な事業領域のうちどこにメスが入るのかが気になるところだ。今回のリストラは、グローバルの全従業員の約4%に相当する。事業によっては、5%以上の人減らしが行われる危険性もあるということだ。それはいったいどの分野だろうか。

 次ページでは、パナソニックグループ再編計画のポイントを明らかにするとともに、グループ各社の「リストラ危険度」を徹底予測する。