新入社員が入社してきて、もうすぐ1ヵ月。彼らの扱いやコミュニケーションの取り方に頭を悩ませている人も少なくないのでは? シリーズ累計131万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんが、新入社員とハッピーな関係が築ける「伝え方」を教えてくれました。(構成・伊藤理子)

「こう言えばよかったんだ!」新入社員を伸ばす伝え方6事例

「新人を伸ばす」伝え方のコツ

「社会人として早く成長してほしい」との思いでかけた言葉がうまく伝わらず、新入社員といまいちコミュニケーションが取れない…と感じている方もいるのでは?特に、人材育成のミッションも担う管理職は、新人の扱いに苦慮しているかもしれません。
しかしこれらの悩みの多くは、「伝え方」の技術を使うことで解消できるのです。

毎年、産労総合研究所が発表している「新入社員のタイプ」によると、2019年卒の新入社員は「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」とのこと。AIスピーカーとしての機能を十分に発揮させるには、細かい設定(=丁寧な教育)が必要。思ったままを伝えてもいい答えは返ってきませんが、細かく具体的に伝えると有益なアウトプットを出してくれる――すなわち、育て方次第で、大きな可能性を秘めているタイプと言えます。
ぜひ「新人を伸ばす」伝え方のコツをつかんで、いい関係性を築き、早期の戦力化を目指しましょう。

【Case1】こまめに報告、連絡、相談してほしい

何度も「報・連・相」の大切さを伝えているにもかかわらず、なかなか実行してくれない…。
「報•連•相」ができていなかったために、取り返しのつかないトラブルに発展してしまった…なんてことも。そうならなたいためにも、大きなミスにつながる前に、まだ新人の今のうちから「報・連・相」を叩き込んでおきたいところです。
しかし、

×「こまめに報告、連絡、相談してね」

と、ストレートに伝えても、その通り動いてくれる可能性は低いでしょう。
動くどころか「いちいちうるさいな」と言いたげな表情を浮かべる新人もいるかもしれません。
そういうときは、こう言ってみてください。

〇「私たちはチームだから、いつでも助け合える体制にしておきたいんだ。そのために、報告、連絡、相談は欠かさないでね」

これは「チームワーク化」「相手の好きなこと」という、2つの伝え方の技術を使っています。
学生から社会人へと、自身を取り巻く環境ががらりと変わり、責任ある立場に緊張していたり、孤独な気持ちを抱えていたりする新人は多いはず。「私たちはチームだから」と言われると「一人じゃない」と安心し緊張感も和らぎます。また、「いつでも助け合える」というのは、新人には嬉しい言葉。仕事への不安が軽減され、上司や先輩への信頼感も増すことでしょう。
そうすることで、言われたとおり「報•連•相」を徹底しようと思ってもらいやすくなります。

伝えたいことは、2つとも同じ。しかし「伝え方」次第で、相手が受ける印象はがらりと変わるのです。

【Case2】わからないことがあったらすぐに質問してほしい

新人による初歩的なミスは、さまざまな職場で起こりえます。多くは、わからないことがあっても聞くことができず、疑問を放置し、独自の判断で行ってしまった結果です。
しかし、

×「わからないことがあったら質問して!」

と言っても、緊張してなかなか聞けない、みんな忙しそうでタイミングがつかめない、簡単なことを聞いたら怒られそう…などとしり込みされてしまうケースが多そうです。

そんな時は、こんな伝え方をしてみてください。

〇「わからないことをその場で聞けるようになったら、成長スピードが速くなるよ。難しいことは、私も一緒に考えるから質問してね」

これは「相手の好きなこと」「チームワーク化」という2つの技術を組み合わせた伝え方。社会人になりたてで、何もわからず不安な中、誰もが早く仕事を覚えて成長したいと思っています。そんな新人にとって「成長スピードが速くなること」はとても嬉しいはず。
そして、「私も一緒に考える」という言葉は、「新人の自分にも寄り添い、一緒に考えてくれる頼りになる上司(先輩)」という印象を与えます。質問することに対する怖さや緊張感を軽減することができるでしょう。

今すぐ使える「伝え方」ポイント
「相手の好きなこと」…基本でありながら、最強。人に好かれる伝え方ナンバー1。相手の好きなことをもとに考えるので、好感を持たれながら、こちらの希望を通すことができます。
「チームワーク化」…人は「一緒に」と言われること自体が嬉しいのです。仲間意識が生まれるため、面倒な頼みでも動いてもらいやすくなります。