70歳以上の人は、健康保険証や高齢受給者証で、医療機関が患者の高額療養費の限度額も確認できるようになっているので、高額療養費の還付手続きは必要ない人がほとんどだ。

 ただし、次のような人は高額療養費の還付手続きが必要になる。

 ・医療機関で限度額適用認定証を提示せず、医療費の3割を支払った
 ・同じ1ヵ月の間に、複数の医療機関を受診していた
 ・同じ1ヵ月の間に、家族も高額な医療費がかかった
 ・長期療養して、過去12ヵ月以内に、高額療養費に該当する月が3回以上あった

 領収証などで、1ヵ月にかかった医療費を確認し、高額療養費の還付を受けられそうな場合は、亡くなった人が加入していた健保組合に問い合わせてみよう。こちらも、診療月の翌月から2年以内なら請求できるが、早めに手続きしておくにこしたことはない。

 高齢で介護保険の要介護認定を受けていた人は、健康保険と同様に被保険者証を返還し、資格喪失手続きを行う。また、業務中や通勤中の病気やケガが原因で亡くなった場合は、労働者災害補償保険(労災保険)の給付対象になることもある。

 労災保険は、正社員だけではなく、アルバイトや嘱託職員など、雇用形態に関係なく、会社から給与をもらって働いている労働者すべてに適用される。労災で亡くなった可能性のある人は、勤務先か労働基準監督署に相談してみよう。

医療費が年間10万円を超えたら
準確定申告で医療費控除を

 亡くなったあとの税金の手続きというと、相続税のことが頭に浮かぶはずだが、相続税が発生しているのは亡くなった人の8.3%(国税庁「相続税の申告状況について」2017年分)。相続税の基礎控除額が縮小された2015年以降、相続税の課税対象者は倍増したとはいえ、死亡者全体の1割に満たない。

 それよりも、税金関係で手続きが必要になる可能性が高いのは、医療費控除の申告だ。

 通常、確定申告は2月~3月にかけて行うものだが、申告の必要な人が年の途中で亡くなった場合は、故人の代わりに残された家族が所得税の「準確定申告」をしなければならない。