副業とテレワーク
「副業」と「テレワーク」が普及しないのはなぜでしょうか Photo:PIXTA

 日本の20~64歳人口は2000年をピークに減少を続けており、2020年までに約1000万人減少することが見込まれている。このため幅広い分野で人手不足が深刻となっており、女性や高齢者、および外国人の活用が唱えられている。

 これに加えて、既存の労働者の有効活用を図るためのカギが、「副業」や「テレワーク」のような柔軟な働き方である。

 現行の個人の職務を限定しない日本企業の働き方の下では、個々の企業で働く専門職は、必ずしもそのスキルを十分に発揮できる業務に就いていない場合がある。勤務時間以外に自らの特技を生かした仕事に携わることは、その専門的能力を維持・向上させるだけでなく、貴重な人材の社会全体での有効活用を通じて人手不足の緩和にも貢献できる。

 また、在宅勤務やサテライトオフィス等でのテレワークが普及すれば、大都市の通勤混雑も軽減される。他方で、専門的な仕事に就く機会の少ない地域の労働者の雇用機会を増やすとともに、障害者等の人材の有効活用ともなる。

 政府の「働き方改革実行計画」でも「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、テレワークについても、その推進を図るべく数値目標が定められているが、いずれも十分な成果を上げていない。これは、上司に部下の厳密な時間管理を求める旧来の労働時間法制の制約による面が大きく、この改善が緊急の課題となっている。

副業を妨げる
「労働時間の通算」と「残業手当」

 厚生労働省は2018年に、副業に関するモデル就業規則を、従来の許可制から、競業禁止や秘密保持の条件付きで、届け出により副業ができる原則自由制へ改定した。それにもかかわらず、企業の大部分は依然として、副業を原則禁止としたままである。

 この理由として最も多いのは、副業が「過重労働」となり、「本業に支障を及ぼすこと」だ。それに次いで「労働時間の管理が困難」であることも挙げられている(労働政策研究・研修機構「多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査」2018年)。