米国は、新たな対中通商協定の締結に向けた長く、困難な交渉の中で、中国について核心的なことを学びつつある。米国が過去およそ半世紀にわたって抱いてきた中国に関する根本的な前提が、もはや成り立たないかもしれないことだ。中国が1970年代に改革開放に着手して以来、歴代の米政権は、中国は経済の近代化、および先進国の国際経済システムに正式な仲間入りを果たすことを望んでいるとの確信の下に政策運営を行ってきた。問題は単に、その移行期間がどうなるのか、その過程で中国がどのような規定に沿うかだった。だが過去2週間に訪問先の欧州、アジアで話を聞いた中国専門家らによると、こうした前提がもはや成り立たなくなっていることがうかがわれる。中国経済が成長し、世界への影響力が増す中、中国は欧米主導の金融・貿易システムに単に受け入れられるために適応する必要はもはやないと考えているようだ。